jaijai’s blog

Cities Skylinesアセット作成に関するメモ・考察

トラックのタイヤ

この記事は、私がこれまでのトラックアセットの製作時に得られたタイヤ&ホイールに関する知見をまとめたもので、ほぼ何の役にも立たちません。

主に中・大型トラックに関するタイヤとホイールのサイズに関するものとなります。

トラックの分類

まずは分類から。

日本ではいずれのトラックメーカーも小型中型大型の3つのラインナップを持っています。道路交通法でも普通中型大型という3つに分かれておりメーカのそれらと概ね一致します。しかし、メーカーの分類ではかなりの幅があります。

小型

俗に言う2トン車です。一般家庭向け配送トラックはほとんどがこのサイズです。道路交通法では車両総重量5トン未満かつ最大積載量3トン未満の車両にあたります。メーカーのラインナップには積載量3トンを超えるものも存在します。

2トン車や4トントラックと呼ばれる際のトン数は最大積載量を表しています。しかし数値自体の意味は薄く、2トンは小型、4トンは中型と同じ意味を持ちます。大型は10トン車と呼ばれることもありますがあまり使われていないようです。また、8トントラックと呼ばれる場合は車両総重量を指すことがあり紛らわしいです。

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日野 デュトロ

中型

売店への配送に使われることの多いトラックです。4トントラックとも呼ばれます。道路交通法では最大積載量3トン以上6.5トン未満です。

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三菱ふそう ファイター

大型

文字通りいちばんでかいやつです。道路交通法では車両総重量11トン以上もしくは最大積載量6.5トン以上に該当します。頻繁に見かける箱型の大型トラックだと総重量は20トンくらいで10トン程度積めます。

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いすゞ ギガ

増トン

これは中型ラインナップの一部です。中型ながら車両総重量8トンを超える場合に増トンと呼ばれ中型とは区別されることがあります。

かつての道路交通法では中型は8トン未満でしたが改正され11トン未満になりました。そこで8トンを超える仕様にしたものを増トンと呼ぶようになりました。つまり、見た目は4トン車だけどもっともっと積めるやつのことです。

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日野 レンジャー

増トン車のなかには総重量11トン以上のものもあり、それらは大型自動車です。それでもあえて中型を使う理由のひとつにキャブが挙げられます。中型のキャブは一回り小さく軽いため、大きくて重い荷台を架装できたり背が低いことがメリットになります。短距離運用なら大型車ほどの装備が必要なかったりもします。

メーカーの中型ラインナップでは総重量8トン未満という区切りが未だに存在します。これは古い普通免許(平成19年以前)では8トン未満まで運転できることが理由の一つです。ちなみに、現在の準中型免許では7.5トン未満、中型免許では11トン未満となっています。

ホイールサイズ

日頃よく見かけるトラック達のホイールサイズは概ね次のいずれかです。

  • 16
  • 17.5
  • 19.5
  • 22.5

(単位インチ)

車格別にするとこんなかんじ。

16 17.5 19.5 22.5
小型
中型
増トン
大型 底床

小型は15インチ装備車もちらほらあります。増トンでは車両総重量次第で様々なサイズが見られます。

大型低床車では床面を低くするために通常より小径である19.5インチが使われます。

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UDトラックス クオン(底床車)

タイヤサイズ

ホイールサイズ別のタイヤは次のようになります。ここでは小型(16インチ)は割愛します。

サイズ 外径 遭遇率 メモ
215/70R 17.5 750mm 一部の4トン車
225/80R 17.5 805mm ★★★ 中型の主力
225/90R 17.5
245/80R 17.5
855mm
840mm
★★ 塵芥車やダンプなどに多い
245/70R 19.5 850mm ★★★ 大型底床はみんなこれ
増トンの基本タイヤ
265/70R 19.5 865mm 増トン積載6~8トン級
ダンプや特装車
255/70R 22.5
265/60R 22.5
930mm
885mm
増トン積載10トン級
かなりレア
275/70R 22.5 960mm ★★ 増トン積載10トン以上
バスに多い
275/80R 22.5 1020mm ★★★ 大型の主力
11R 22.5
295/80R 22.5
1050mm ★★★ 大型の主力
ダンプやタンクに多い
12R 22.5 1080mm 特装車やクレーンなどの特殊車両
公道で見かけるタイヤでは最大サイズ

ここにないサイズを装備しているトラックも稀にあります。外径はおおよその大きさで銘柄により変わってきます。

JIS?ISO?

ホイール規格にはJISとISOの2種類があります。両者で使えるタイヤは変わりませんがナットサイズやPCDが違うので互換性はありません。各メーカーの現行モデルはすべてISOに移行しています。旧車ではJISのものも多いので未だにJISもよく見かけます。また、バスにおいても同様にISOへの移行が進んでいます。

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社団法人 日本自動車工業会の資料より

22.5インチではボルト穴数が違うので簡単に見分けられます。

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JIS 22.5
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ISO 22.5

社団法人 日本自動車タイヤ協会のパンフレット
https://www.jatma.or.jp/tyre_psd/safenews70_pamphlet.pdf

まとめ

ここまで読んできたあなたなら、街で見かけるトラックのタイヤがきっと気になります。トラックでは普通車と違いすべて合理的な理由によりそのタイヤが選択されています。なぜそのタイヤなのか?ちょっと考えてみるのも楽しいかもしれません。例えば、大きなタイヤがたくさんついており全長が短いトラックなら相当な重量物(20トンとか)を運ぶ必要があると推定できます。

一方、アセット制作では物のサイズを知るというのは大事な要素です。タイヤに限らず対象物の寸法はきちんと割り出しましょう。